サイバーセキュリティお助け隊サービス(新類型)とは:SCS評価制度の★取得を支える実証の期間・参加条件
更新日:2026年9月30日 作成:SCS対策比較ラボ 編集部(調査の方法と編集の方針)

サイバーセキュリティお助け隊サービス(新類型)とは、中小企業が SCS評価制度の★3・★4を安く、簡単に取れるように国が創設を進めている支援サービスです。いまは IPA が15事業者と実証事業を行っていて、中小企業は無料で参加できます。制度として正式に始まる時期は、IPA が「2027年度末までの制度化を目指す」としている段階です。
お助け隊サービス(新類型)とは
経済産業省の特設ページ「(5)」と FAQ Q7 では、新類型を★3・★4の取得を支援するためのサービスと説明しています。制度構築方針 p.35 では、★3・★4の対策項目のうち、まだできていない項目を新類型の導入で達成させる考え方が示されています。
★は、公式には IPA の台帳への「登録」です。この記事では「取得(登録)」の意味で「取得」とも書きます。
既存のお助け隊との違い
IPA は2021年度から「サイバーセキュリティお助け隊サービス」制度を運用しています。監視、駆け付け、相談窓口、簡易なサイバー保険などを安くひとまとめにしたサービスで(経済産業省 新類型ページ)、導入した企業は累計で約10,900社です(2026年3月末時点。IPA 実証ページ)。
ただし、★3 の要求事項には方針づくりなどの組織的な対策が多く含まれ、いまのお助け隊サービスを入れていても、★3 の要求事項の一部しか達成できません(IPA 実証ページ)。そこで、対策状況の診断と、できていない項目の対策まで伴走する新しい類型が必要とされています(IPA 実証説明資料 p.4)。
サービスの中身
IPA の実証ページと説明資料では、新類型を3つのステップで説明しています(要約)。
- 課題の見える化:SCS評価制度の要件ごとに対策の状況を診断し、できていない項目の対策を改善計画書にまとめる
- 対策の実施:診断結果に沿って、IT ツール(セキュリティ機器・ソフトウェアなど)の導入と、IT ツール以外の支援(規程や手順書の整備、教育など)で伴走する
- ★取得の申請支援:要求事項を満たしているか確かめ、セキュリティ専門家による確認・評価や、申請書の作成を支援する
制度構築方針 p.35 には、サービスの例として「★3」「★3+駆け付け」「★4」「★4+駆け付け」の4つが挙げられています。これは方針の時点の例で、実際のサービスの種類はまだ決まっていません。
実証事業のしくみ
実施する機関と事業者の数
実証事業は IPA が行います(経済産業省 新類型ページ)。公募で選ばれた15事業者が、実証用のサービスを中小企業に提供します(IPA 実証ページ)。事業者の名前、対象の地域と業種、支援する★の段階、連絡先は、IPA の実証ページに一覧があります。
IPA のページで、支援する★の段階を数えると次のとおりです(2026年9月30日確認)。
| 支援する★の段階 | 事業者の数 |
|---|---|
| ★3・★4の取得支援 | 2 |
| ★3 の取得支援を中心(一部の企業を★4) | 8 |
| ★3 の取得支援のみ(★4は対象外) | 5 |
★4 を目指す会社は、選べる事業者が限られる点に注意が必要です。
参加の条件
IPA の実証ページと「本実証事業における中小企業等の定義」によると、条件は次のとおりです(要約)。
- 対象:中小企業等。業種ごとに、資本金か常時使用する従業員の数の上限が決まっている(例:製造業・建設業・運輸業は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5千万円以下または50人以下)。個人事業主や、医療法人・社会福祉法人なども対象になり得る。法人格のない任意団体は対象外
- 申し込み方:15事業者の中から自社に合うサービスを選び、その事業者に直接連絡する
- 1社だけ:2社以上の事業者の実証に重ねて参加することはできない
- 参加できない場合:実証の内容に合わない場合や、予定数に達した場合がある
- 費用:参加は無償
- 協力すること:制度づくりに向けた意見の提出や、実証中に検知した通信の情報などの提供に協力する(経済産業省 新類型ページ、IPA 実証説明資料 p.3)
実証の期間:資料によって書き方が違う
実証の期間と開始の時期は、資料によって書き方が違います。
| 資料 | 書かれている期間・時期 |
|---|---|
| 経済産業省の発表(2026年3月27日) | 「2026年春頃から」実証を始める予定 |
| 経済産業省 SCS評価制度 特設ページ(2026年5月20日更新) | 「2026年夏頃から」実証を始める予定 |
| 経済産業省 新類型ページ(2026年9月15日更新) | 「令和8年8月頃から令和9年9月頃までの約1年間」。同じページの概要の表では「令和8年度中(順次開始予定)」 |
| IPA 実証ページ(公開日 2026年9月18日) | 「2026年10月~2027年9月までの1年間を予定」。実証期間は「最大で1年程度」 |
終わりは2027年9月頃でそろっていますが、始まりは資料が新しくなるほど後ろにずれています。サービスの内容や期間は事業者ごとに違うため(IPA 実証ページ)、いつから支援を受けられるかは事業者に確かめてください。
制度化の予定
実証の結果をもとに、サービスの品質や価格の要件を決め、新類型の基準をつくる予定です(IPA 実証ページ、経済産業省 新類型ページ)。時期の書き方は次のとおりです。
- 経済産業省 新類型ページ:令和8年度末頃の SCS評価制度の開始にあわせて、新類型の基準案を公表し、先行版としてサービスを始める予定
- IPA 実証ページ:2027年度末までの制度化を目指す
次のことは、まだ未定です。
- 新類型の基準(品質の要件・価格の要件)
- 制度化されたあとのサービスの料金
- 新類型を使うと、★の要件のどこまでを満たせるか
参加を考えるときの注意点
- 無料の範囲:無料は、SCS評価制度の対策の範囲で、実証期間中(最大1年程度)に限られます(経済産業省 新類型ページ)。実証が終わった後のサービスの継続は有償で、事業者から案内があります(IPA 実証ページ)
- 登録料:★の登録料は、2028年3月31日までの申請で★3が1万円、★4が6万円(税込み)です(IPA 料金設定のお知らせ)。実証でこの登録料まで負担されるかは、確認できませんでした
- 受付開始との関係:申請受付は、IPA の予定では2027年3月に始まります
- 案内の中身を分けて聞く:実証の案内を受けたら、IPA の一覧に載っている事業者かを確かめ、無償の実証の話か、実証後の有償サービスの話かを分けて聞きます。SCS評価制度を引き合いに出した不適切な勧誘については「不適切な勧誘に注意」も参考になります
民間の支援サービスの種類ごとの違いは比較表で確かめられます。中小企業向けの支援策の全体は「中小企業向けの支援策」で説明しています。
まとめ
- お助け隊サービス(新類型)は、中小企業の★3・★4の取得を支援するために創設が進められているサービスです
- 既存のお助け隊だけでは★3 の要求事項の一部しか満たせないため、組織的な対策まで伴走支援します
- いまは IPA の実証事業の段階で、15事業者が参加しています。中小企業は無料で、1社を選んで直接申し込みます
- 実証の期間は資料によって書き方が違い、IPA は「2026年10月~2027年9月」としています
- 制度化は IPA が2027年度末までを目指しています。基準や料金は未定です
※この記事は、経済産業省・IPA の資料をもとに要約して作成しました(2026年9月30日時点)。
参考にした情報
- SCS評価制度を活用する中小企業向け支援策(サイバーセキュリティお助け隊サービス新類型の実証)(IPA)
- 「お助け隊サービス(新類型)実証」説明資料(IPA、2026年9月15日)
- 本実証事業における中小企業等の定義(IPA)
- サイバーセキュリティお助け隊サービス(新類型)(経済産業省)
- SCS評価制度 特設ページ・FAQ(経済産業省)
- サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度に関する制度構築方針を公表しました(経済産業省、2026年3月27日)
- 制度構築方針(本文)(経済産業省)
- 料金設定のお知らせ(IPA、2026年9月18日)
記事の内容は2026年9月30日時点の情報です。支援サービスの内容は比較表で確認できます。制度の最新の内容は、経済産業省・IPA の公式情報をご確認ください。